シャドーイングで英会話習得をめざすぜよい

podcastやスクリプト付きの英語記事を聞いて、喋って、英会話の上達を目指すブログです。目標はビジネス英語の習得になります。各記事にスクリプト付きの音声が聞けるURLをつけているので、そのURLを聞いて、見て一緒に学びましょう。

中国が作り上げた海のシルクロード

 

シルクロードと言えば、アジアの貿易のインフラとして機能した道ですね。シルクがよく貿易されたので、そう呼ばれてるんですかね。その際の貿易の中心はもちろん中国です。中国が地中海の世界と交易をするための道がシルクロードです。なんとシルクロードの一部はユネスコ世界遺産になっているそうです。

シルクロードというと、5年ほど前に違法取引サイトの名前としても使われました。その際には決済貨幣としてビットコインが使われたことも話題になりましたよね。

さて、そんなシルクロードが果たしていた機能と同じような機能を、中国は今度は海の上にも作り出そうとしている、というのが今回の記事です。ただ、いろいろとコンフリクトが生じているようではあります。

www.npr.org

あらすじと所感

China has poured billions into making basically a Silk Road of the sea, running dozens of ports and container terminals around the world. It's a way to move Chinese exports to important markets, including the European Union. And in Europe, it all began in the Greek port of Piraeus. The Chinese shipping giant COSCO has spent millions transforming it into the fastest growing port in the world.

中国は世界中の港湾に巨額の金を投資してるねすね。目的は中国産製品の輸出のためです。そしてヨーロッパの拠点になったのがギリシャのport of Piraeus、ピレウス港。中国海運大手のCOSCOが投資をしてます。

We loaded bags of clothes, leather goods, knitwear, all made in Greece, all bound for North America and Australia.

これ、リタイアしたギリシャ人男性の台詞ですが、以前はピレウス港からアメリカやオーストラリアに輸出をしてたんですね。おそらく今は中国製品の輸入をする場所になっているようです。

www.sankei.com

こちらの記事を読むと当時の様子を伺うことができます。

ギリシャは8日、同国最大の港であるピレウス港の売却契約について、中国海運最大手の中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)と正式に調印した。ピレウス港は地中海の海運の要衝で、アジア・中東地域から欧州への玄関口にあたり、今後、中国の欧州進出に拍車がかかる可能性がある。

コスコ・グループは中国政府の管理下にある国有企業で、今回の買収は習近平指導部が主導する形で進められた。現地からの報道では、中国側はピレウス港を運営する国営会社の株式の67%を2段階に分け、計3億6850万ユーロ(約450億円)で取得する。
 中国側はこのほか港湾整備・開発に3億5千万ユーロを投資する予定。当初は株式51%分の取得にとどめ、これらの投資の実行を受け5年後に残りの株式を買い取る。中国はすでにピレウス港のコンテナ埠頭(ふとう)の運営権を握っていた。

ギリシャ欧州連合(EU)と国際通貨基金IMF)の支援を受けて財政再建中で、同港などの国有資産の民営化は支援実行の条件。当初は民営化に反対したチプラス政権も現在は推進姿勢に転じている。首相府付近ではこの日、民営化反対のデモも行われた。

Wikiによると、

ピレウスは2011年時点ではギリシャ第4の都市であり、アテネ首都圏ではアテネに次いで人口が多い」ということです。その都市がほぼ中国国営企業に所有されているということです。財政危機にあるとはいえ、ギリシャ国民からするとすんなりと受け入れられない気持ちがあったと思われます。

G. NOUCHOUTIDIS: (Through interpreter) Piraeus is in a blessed location. It's across from the Suez Canal. It's deep enough for big ships. It's got everything to be successful.

元々このピレウス港は地理的に非常に重要な場所にあり、交易で栄えていたということですね。

KAKISSIS: But for years, when the Greek state owned the port, bureaucratic red tape made it hard to attract investment. Then came the debt crisis, which began in 2010 and ravaged the Greek economy. The EU pushed Greece to privatize the port of Piraeus. Only the Chinese showed serious interest.

ただ、官僚的な運営のために投資を呼び込むことができず、そこに財政危機が襲ってきました。EUが求めた支援の条件はピレウス港の民営化であり、興味を示したのが中国だけだった、というのが経緯のようです。

ただ、予想以上に中国の欧州進出意欲は強く、単純にピレウス港を使うだけではなく、新たなインフラも建設中で、そのことに対するとらえ方は分かれているようです。

VALLERAS: If at some point in the future they want to abandon Piraeus, we will have all these investments. They will not take them with with them, OK? They will leave them here.

KAKISSIS: So you see it as entirely a win-win.

35年後には投資契約が終了するので、Win-Winととらえる人。

When the Chinese say win-win, they mean they win twice.

KAKISSIS: She says the benefits mainly go to China.

FRANTZESKAKI: They expand their influence. They expand their technology. They expand their know-how, their way to organize and doing business. They expand all these things in Europe.

中国人にとってのWin-Winとは、2回Winすることであり、まさに欧州進出の足掛かりになっている、ととらえる人。Win-Winを2回Winするととらえるのは斬新かもしれませんね(笑)

さらには、労働者の扱いについての衝突も発生しています。記事の最後には、欧州は中国を甘く見すぎた、、ということも言われており、今後もひと悶着ありそうな雰囲気ではあります。

覚えておきたいと思った単語

at a price 相当な犠牲[代償]を払って、相当な値段で

Acropolis (古代ギリシャ都市の)城砦(じようさい)、(アテネの)アクロポリス

reminisce 追憶する、思い出を語る

worry beads 悩みの数珠、心を落ち着かせるために触る数珠のようなもの

watercolor 水彩画

bureaucratic  官僚政治の、官僚的な

red tape 官僚的形式主義、お役所流

ravage 荒らす; 破壊する

privatize 非国有化する、民営化する

Straddle carriers 港湾や貨物の積み替え拠点において、コンテナを移動させたり積み上げたりするために用いられる特殊自動車

coveted 切望された

temps 臨時雇い

relieve 用便を足す

stomach 〈侮辱などを〉我慢する

覚えておきたいと思った単語はニヤリーイコール知らなかった単語なのですが、これだけ知らない単語があるのは厳しいですね・・・orz

聞取りづらかった単語

warriors
docked
recalled

R系の発音はやはり聞き取りづらいことが多いです。

 

ピックアップしている記事音声はだいたい4分前後のものなのですが、今回のものは6分40秒ほどあり、少し長めなのですが、今日も10回以上聞きましょう!